おやつすら食べられない
主人が帰ってくると、机の上にお菓子の袋があるのを見て
「僕のいない間に、美味しいもの食べてる」という。
「そんなことないよ。ひとつ1000円の生チョコを買おうと思っていたけれど、6つ入って250円のチョコパイに買えたんだから」と言うと
「いいなあ・・。僕なんておやつを食べる時間もない」と言う。
「しょっちゅう休憩をとってニコチンやカフェインを摂取しているじゃないの。私はニコチンもアルコールも取らないのよ。他に何の楽しみがあるというの」と反論すると
「いつでも好きな時に寝られる」
「まあ、自由業だしね。サラリーマンには無理だね」
「そう、不公平だ」
「不公平なことないよ。だって私の仕事は働いていても、ほとんど儲けにはならないもの。ふぶきさんが働いてくれているから、生活ができるってことは十分承知しています。そんなに食べたいのなら、おやつ、食べる?」
「いい、体脂肪が気になるし、ご飯が食べられなくなるから」
こういう主人にいつおやつを食べてもらえばいいというのか。おやつといっても私は、朝の10時と昼食の後と3時ごろに1回ずつしか食べていないのである。しかも、「1斤で100円の食パンを買ってきて、マヨネーズやジャムを塗って食べると、100円で6回もおやつが食べられる」とか「147円のえびせんを買ってきて、1/4ずつ食べれば4回は食べれる」という、セコイ計算をしながら、できるだけ質素にふぶきさんがいない時間を楽しんでいるのである。これ以上何を遠慮すればいいというのか。漫画を描くのは気を使うのである。
先日も
「お昼に明太子スパゲッティを作ったけど、多くて半分残しておいたの。食べる?」と言うと、またもや
「僕のいない間に美味しいもの作ってる!」という。まるでふぶきさんのいる時には美味しいものを作ってないみたいじゃないか。
「夕飯の残りやカレーやラーメンばっかりじゃ、食欲なくなるから、たまには美味しいものを作ろうと思ったのよ」と弁解しているうちに、明太子スパゲッティはペロリとたいらげられてしまった。
「会社では食堂があるんでしょう?」
「あるけど、いつも同じメニューだから飽きる」
「カツカレーとか鰻丼とかトンカツとかしか食べてないんでしょう」
「時々鳥のから揚げも食べる」
「ほら、肉ばっかり食べてる。もうちょっとヘルシーなのないの?幕の内弁当とか、あるでしょう?」
「あるけど不味いんだ。」
「じゃあ、お惣菜とかは?」
「不味い」
「それじゃあコンビニで弁当を買っていくとか?」
「冷蔵庫がないから入れておくところがない」
・・・・とこんな感じで会話は地平線のように平行である。(地平線ならば、少しは曲がっているか)私の安眠とおやつのために「じゃあお弁当作ろうか?」という言葉は何度も飲み込んでおいた。


















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